馬油は、馬肉の皮下脂肪を低温で蒸して溶かし、ろ過したものを洗浄して、スキンケア用のオイルにしたもので、古くから傷ややけどの薬として愛用意されてきた油です。

馬油はオレイン酸35.5%、パルミトレイン酸7%、リノール酸10.8%、リノレン酸9.5%と、スキンケア効果の高い脂肪酸をバランスよく含んでいます。

頸部のたてがみの下の脂肪は、「こおね脂」と呼ばれ、体重1トンもある馬からたった5Kgしか取れない貴重部位ということで、美味な高級馬刺しとして扱われますが、実はこの部分だけを見ると、ほかの部分の約2倍、15%程度のパルミトレイン酸を含んでいます。

細胞の再生のために不可欠で、なかなかほかのオイルの中にはないパルミトレイン酸を含むということ、そして、必須脂肪酸のうち肌の調子を整えるのにどうしても必要なのに、普段意識していないかぎり摂りにくいリノレン酸を併せ持つことが、スキンケアオイルとしての馬油の大きな特徴です。

昔から、傷ややけどの薬として愛用されてきたこと、美容オイルとして今でも根強いファンが多くいる理由がうなずけます。「これさえあれば、ほかのオイルはなくても・・・」という方も多いようです。

動物性油脂としては、きわだって肌になじみやすく、さらりとしたぬり心地で、皮膚によくなじみます。常温では基本的にクリーム状で、美容オイルとしてそのまま使えます。ナッツ系オイルにアレルギーがあり、パルミトレイン酸効果をスキンケアに取り入れたいという方にとっては、実質、馬油が唯一の選択肢となるかもしれません。アボカド油にもパルミトレイン酸は含まれていますが、こおね脂から作られた馬油ほどの量ではありません。