しその種を搾ったものがしそ油、同じシソ科の植物である荏胡麻(えごま)の種を搾ったものがえごま油で、日本、中国伝統の健康オイルです。音がにていても、「えごま」と「ごま」はまったく別の植物で、オイルの性質もまったく違っていますので念のため。
シソ科の植物には、赤しそ、青しそ、白しそ、荏胡麻などの種類がありますが、その種を搾ったオイルには、みんな基本的にとても似た性質と働きがあるので、同じような使い方をすることができます。
えごま油がしそ油、しそ油がえごま油として売られていることもあるぐらいですので、ここではしそ油とえごま油をまとめて紹介させていただきます。
リノール酸はさまざまな油に含まれているのですが、α-リノレン酸を豊富に含む油はそう多くはなく、意識して選んでいないかぎり、なかなか摂るのがむずかしいのです。もしかすると、α-リノレン酸というより、オメガ3系脂肪酸という言葉で耳にされているかもしれません。
しそやえごまは中国や朝鮮半島でも古来栽培され、医薬に用いられていて、日本でも千年以上も昔から、使われていたという記録が残っています。漢方で「不老長寿」の薬として扱われていたとのことですが、その薬効は、必須脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含んでいるというところにあったに違いありません。
しそ油、えごま油は食用として販売されているもの以外は手に入らないのが現状ですが、化粧用のオイルとして販売されているわけではないことを理解した上で、自分の肌には合っているからとスキンケアオイルとして利用している方もいらっしゃるようです。確かに高い割合で、α-リノレン酸を含む、さらっとした使い心地のオイルというのは亜麻仁油としそ油とえごま油だけですから、この脂肪酸の構成が自分の肌にはぴったりだという方にとっては、そうする以外の選択肢がないのかもしれません。