自律神経は睡眠不足で乱れる
あちこちの病院を回っても改善しない頭痛みや肩こり、冷えや低体温などの症状を訴える人が多いそうです。そうした人たちの生活にほぼ共通しているのが、「睡眠不足」らしいのです。睡眠不足は自律神経のバランスを崩してしまいます。
体調が悪化したり病気になる前から睡眠時間が足りない傾向があり、さらに、病気になったことで熟睡できなくなって睡眠不足に陥ってしまう人が多いということです。それには自律神経のバランスの崩れが影響して病気が発症し、病気を治りにくくしていることは間違いなさそうです。
7割の日本人が睡眠不足
ある調査によると、現代人の5人に1人が、なんらかの治療が必要な不眠症にかかっているといわれているそうです。また、「日ごろから睡眠が足りていない」と自覚している人は日本人全体の7割はいるともいわれており、もはや睡眠不足は国民的な症状ともいえそうです。
寝不足で副交換神経が優位の時間が短くなる
睡眠が足りなくなると、脳や体の疲労回復が遅れ、日中の活動や思考に必要なエネルギーが枯渇してしまいます。そして、睡眠不足を放置し続けていると、朝に目が覚めて夜になると眠くなる本来の「睡眠のリズム」が崩れてしまうのです。
寝ることで副交感神経が優位になるはずの夜の時間帯も交感神経が優位になり、その結果、血流が悪くなって、頭痛や肩こりなどの症状が出やすくなるのです。一方で、副交感神経が優位になる時間が短くなることでリンパ球が減り、免疫力が低下してしまうわけです。
睡眠の質が低下すると自律神経が乱れる
睡眠の研究機関が行った調査データでも、「1年を通して平均睡眠時間が6時間未満の人は、交感神経が優位になって免疫力が低下した状態になっている」ということがわかっています。これに加えて、睡眠が足りないと、脳内の血流がところどころで滞った状態になる「脳のうっ血」が多くなることも注意しなければいけません。
脳にうっ血が多くなると寝つきが悪くなり、夜中に何度も目が覚めたり、早朝に目が覚めたりと、睡眠の質が低下してしまいます。睡眠の質が低下することで、さらに自律神経のバランスが乱れるという悪循環に陥るのです。
寝不足は自律神経のバランスを乱す
睡眠不足をいつものことと諦めてしまうと、交感神経の出番が増えて副交感神経の出番が減る一方に・・・。その結果、自律神経のバランスが崩れてしまい、血流も悪くなり、体調不良の状態が続き、体に変調をきたしてしまうわけです。また、睡眠不足は美容の大敵でもあります。
自律神経とは、自分自身の意志とは無関係に働く神経ですので、働きを変えることはできませんが、機能を良くすることは可能です。自律神経は、血液循環がよく、体が温かく、筋肉に異常なコリがない状態だと効果的に働いてくれます。