大豆タンパクで肥満解消
大豆に含まれるタンパク質は、健康の維持に重要な栄養素です。
肉や卵、魚も大事ですが、大豆もやはり重要なのです。
大豆タンパク質を摂取すると中性脂肪の値が下がることが知られています。
中性脂肪とは簡単にいえば、体にブヨブヨとついたぜい肉のことです。
中性脂肪の値が高くなると、善玉と呼ばれるHDLコレステロールが減り、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールが増えてしまうことがわかっています。
中性脂肪とLDLコレステロールという体内にある脂質が活性酸素と結びつくと、過酸化脂質という怖い物質に変性し、脳卒中や心筋梗塞の原因になります。
ですから、肥満を解消して寿命を縮めないためにも、中性脂肪は体から減らしたほうがよいことになります。
中性脂肪とコレステロールを減らす大豆
そこで重要な働きをするのが、大豆タンパク質に含まれる「ベータコングリシニン」という物質です。
ベータコングリシニンは、肝臓で中性脂肪がエネルギーになるのを促します。
また小腸での脂肪の吸収を抑える働きもあります。
こうした働きから、ベータコングリシニンは中性脂肪が体に蓄えられるのを防いでいるわけです。
また、大豆タンパク質にはコレステロール値を下げる作用もあります。
コレステロールは、腸の中で胆汁酸と行動をともにします。
大豆タンパク質は、体内で使いきれなかった余分なコレステロールを胆汁酸とともに包み込んで体外に排出してくれるのです。
エクオールはイソフラボンの100倍の効果
大豆の健康効果の高さは、タンパク質だけではありません。
ビタミンEやイソフラボンといった抗酸化物質を含みます。
抗酸化物質とは、活性酸素の外を防ぐ作用を持つ物質のことです。
また、大豆はカルシウムの優れた供給源にもなり、骨粗鬆症の予防にも役立ちます。
なお、大豆イソフラボンは、腸内細菌と結びついて「エクオール」という成分をつくり出すことも知られています。
エクオールは強力な抗ガン作用を持ちます。
また、形が女性ホルモンそっくりで、イソフラボンより100倍の効率で女性ホルモンと同じような作用を体に施します。
実は、このエクオールをつくることができるのは、イソフラボンと相性のよい腸内細菌を持った人だけです。
日本人女性の場合、約半数の人がエクオールをつくり出す力を持っているとされてます。
エクオールをつくる腸内細菌を育てるには、腸内環境を整えたうえで、大豆や大豆製品を毎日食べる習慣を持つことが大事です。