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幸福感は腸内細菌が作り出している

人が幸福感を覚えるとき、脳内ではセロトニンとドーパミンという「幸せ物質」が分泌されています。

幸せを作るセロトニン

セロトニンは、人の精神面に大きな影響を与える物質で、心のバランスを整える作用があります。人が幸福を感じるのもセロトニンの作用のおかげです。セロトニンが不足すると、うつ病や不眠症などを起こすことがわかっています。

快楽を作るドーパミン

ドーパミンは「快」の感情をつくる脳内伝達物質ですが、他にも、意欲をつかさどり、運動調整や学習にもかかわっています。ドーパミンが正常に分泌されていると、人は何事にも意欲的で明るい精神状態が保たれます。おいしいものを食べると笑顔になったり、恋をすると明るくなったりするのも、ドーパミンのおかげです。

幸せの元は腸内細菌がタンパク質から作り出す

人生を楽しみ、心から笑い、積極的に行動する前向きな精神は、幸せ物質がつくり出すものです。セロトニン、ドーパミンが正しく分泌されていれば、幸せの感受性は高くなります。毎日の生活から「よかったこと」「楽しかったこと」を見つけ出し、幸福感を実感できる人は、幸せ物質が正常に分泌されていると考えられるでしょう。反対に、イライラや不満、不安などを感じやすい人は、幸せ物質が正しく分泌できていないと考えられます。

幸せ物質の材料となるのは、肉や魚、卵、大豆、乳製品など、タンパク質の豊富な食べ物です。幸福感を高めるためには、タンパク質をとる必要があります。

しかし、タンパク質だけではダメなのです。タンパク質を材料として、幸せ物質の前駆体を合成するには、腸内細菌の働きが不可欠なのです。腸内細菌がいなければ、幸せ物質はつくられないのです。

腸内細菌がバランスよく増えているときに、幸せ物質の前駆体が腸内で正しく分泌され、脳へと送られます。すると、脳では幸せ物質をきちんと分泌できるのです。

「心の健康は腸が握っている」と言われる理由の一つは、腸内細菌のこうした働きがあるからです。