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便秘は美容の大敵
現在、多くの女性が便秘に悩んでいます。
これは、なぜなのでしょうか?
日本人はもともと穀類を主食とする農耕民族で、麦めしの殻などの難消化物を消化してきました。
難消化物は消化に時間がかかるため、小麦を主食とする欧米人にくらべ、日本人の腸は長くなったといわれています。
そこで、この長い腸の健康を保つため、日本人は食物繊維や納豆、漬物などの発酵食品を摂ってきました。
しかし、最近は日本食離れが進み、食物繊維や乳酸菌不足の食生活が中心になり、腸内環境が悪化して便秘を抱える人が増えてしまったのです。
便秘の人の腸内では、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の数が減り、食べ物を腐敗させる悪玉菌が増殖して、アンモニアなどの有毒ガスや活性酸素が大量発生してしまいます。
これらは腸内環境を悪化させるだけでなく、血液に取り込まれ、体全体にダメージを与えてしまいます。
有毒ガスで汚れた血液が肌に届くと、血行不良などを引き起こし、肌のターンオーバーが乱れ、内側から老化を加速させてしまいますので老け顔になってしまうかもしれませんね。
便秘とは|便秘の定義
意外に思うでしょうが、便秘の医学的な定義は最近まで決まっていませんでした。
2017年に「慢性便秘症診療ガイドライン」(南江堂刊)が発表され、診断と治療の道筋が示されました。
それによれば、便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。
一般的には「2~3日に1回は排便があり、残便感などの自覚症状がなければ、便秘とはいわない」というのが、腸の専門医に共通する認識です。
ただし、毎日排便があった人が、運動不足や環境の変化から2~3日に1回の排便になり、お腹の張りなどを感じるのであれば、便秘と呼べます。
これらからわかりやすくまとめるなら、便秘とは、「週に1~2回の排便になり、排便時の困難感、腹部膨満感、下腹部痛などの自覚症状をともなうケース」といえるでしょう。
現在、日本人女性の48%が便秘というデータがあります。
便秘のタイプ
ほとんどの便秘が、生活習慣やストレスが原因で起こる「慢性便秘」です。
慢性便秘症は大きく分けて、なんらかの病気があって起こる器質性便秘と、機能性便秘の2つに分類されています。
多くの慢性便秘症は機能性便秘で、機能性便秘はさらに次のように分類されています。
排便回数減少型
1:大腸通過遅延型
便を輸送する大腸の能力が低下しているために排便回数や排便量が低下するタイプ
2:大腸通過正常型
大腸の便を輸送する能力が正常であるにもかかわらず、排便回数や排便量が減少するタイプ(食物繊維摂取量が少ないケースなど)
排便困難型
1:大腸通過正常型
排便回数や排便量が減少していないにもかかわらず、硬便(便がかたいこと)のために排便困難や過度のいきみを生じるタイプ
2:機能性便排出障害
機能的な病態によって、直腸にある便を十分量、快適に排出できず、排便困難感や残便感を認めるタイプ
便秘により病気のリスクも高まる
では、慢性便秘を放って置くと、どうなるのでしょう?
排便には、腸にたまる老廃物を体外に排出する活動なので、便秘を放置していると、体内に有害物質がたまってきます。
まず、老廃物が腐敗して、ガスが発生しやすくなります。
すると、腸内環境が悪化し、悪玉菌が増えていきます。
この悪循環によって便秘が悪化し、腸の働きはますます鈍り、腸管免疫力も低下します。
さらに怖いのは、便秘を放置していると大腸ガンのリスクが高まることです。
便の状態をチェックしましょう
まず、便の量についてですが、日本人の平均的な排便量は1日あたり125~180g程度と考えられています。
バナナ一本を100gとした場合、通常1~2本弱程度の排便があると考えればよいでしょう。
腸内環境を整え、毎日快便!
栄養を摂るだけでなく、不要な老廃物をため込まず排出することが、理想の美肌サイクルです。
腸内環境が悪くなると、悪玉菌が増え、肌を酸化させる活性酸素が発生します。
そして便秘がちな人は、肌荒れやニキビができやすい傾向があります。
腸内環境を整え、毎日の快便のために摂りたいのは、腸内の善玉菌を増やす乳酸菌。
味噌や漬物などの発酵食品やヨーグルトに多く含まれています。
また、野菜や果物、きのこ類に多い食物繊維も忘れてはいけない栄養素です。
食物繊維は、腸の働きを活発にし、排便を促し、さらに脂質や糖質の吸収をゆるやかにする働きもあります。