美肌は角質層で決まります
角質層とは、一言で言うと、皮膚最上部にある死んだ細胞が積み重なっている層のことで、
死んだ皮膚細胞を積み重ねて作った鎧のようなものです。
死んだ皮膚細胞を外に置くことで、内側の行きている皮膚細胞を守っているわけです。
薄い板状で厚い細胞膜を持つ角質細胞の集まりですが、角質細胞には細胞として機能するために必要な核がありません。
つまり角質細胞は、死んでしまった細胞なのです。
ちょうどサランラップのような0.02mm~0.03mm程の厚さに、角質細胞がブロックのように10層程度重なっているのが角質層。
角質細胞は、もうすぐ皮膚から剥がれ落ちる状態の細胞ですが、ナチュラル・モイスチャーライジング・ファクター(NMF)と呼ばれる保水力の高い天然保湿因子が含まれていますので、死んでしまった細胞でも肌の潤いを保つのに大変役立っています。
さらに、角質細胞の間は、保湿効果の高いセラミドを主成分とする角質細胞間脂質という物質がセメントのように接着して埋めて、肌からの水分の蒸発を防ぎ、外部からの汚れや雑菌の侵入を許しません。角質層がバリア層とも言われる由縁です。
美しい肌かどうかを決定するのは角質層の状態で、一定の水分を保持し、潤い成分で満たされた角質細胞が整った肌ほど健康で美しい肌と言えます。
角質層の役割
このように、角質層は身体の表面を守るバリアのような働きをしていて、外部刺激から体を保護してくれています。
また、外部刺激からの保護以外にも体の内部から水分が蒸発することを防ぐ役割も担っています。
これは外部刺激から体を守ることと同じように生命体である人間にとって大変重要な働きです。
正常に機能している角質層は15%くらいの水分を保持することができるのですが、この角質層の能力を超える乾燥した環境や、角質層を痛めてしまうと、角質層の水分量は減少していきます。
お手入れを怠り、角質層をそのまま放っておくと肌の保水力が衰え、みずみずしさを保つことができなくなるのです。
その結果、さまざまな肌トラブルにつながることになります。
皮膚の一番外側にあり肌を守り続け傷んだ角質層は、一定期間を経過すると、やがて古いものから順にアカとして剥がれ落ちていき、常に一定の保水力と美しさを持つ角質の層を維持しています。
皮膚が細胞分裂を繰り返し角質となり、剥がれ落ちるまでのサイクルのことをターンオーバーと呼んでいます。
角質のお手入れ法
角質が肌を守るために重要な役割を担っていることはご理解いただけたと思います。
スキンケアの最大の目的は、この角質層が適切に形成され、一定の役目を終えてアカとなって剥がれ落ちていく過程を正常に維持することにあります。
このサイクルが崩れると美しく健康な肌を作っていくことはできません。
角質をスクラブやピーリング剤で強引にごっそり落とすような間違ったお手入れをして必要な角質を剥がしてしまうと、肌トラブルになる可能性が高くなります。
その時はツルツルピカピカで、きれいになったように思いますが、そのツルピカ感は一時的なもので、保水力が低下し乾燥肌になります。
角質は体を覆うバリア層ですから、角質がなくなると紫外線の影響を強く受けてしまい、結局シミやシワが出来やすくなります。
また、出来上がっていない未熟な角質が肌の一番外側に出てくるため、外部刺激に過剰に反応する敏感肌になることが考えられます。
以上のことから、角質を取り除くというよりも、角質が正常な状態を維持してあげることがスキンケア最大の目的なのです。