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高温の一番風呂は危険

温泉ブームが続いているように、お風呂は、体も心もリラックス、リフレッシュできる手軽な健康法です。

ただし、入浴の仕方が大切になります。

お年寄りが好む熱湯のような一番風呂は、体に負担をかけ、危険でもあります。

ウソではありません。入浴時に脳卒中や心筋梗塞などを起こして、毎年1万5000人も亡くなっているのです。

特に、冬場は危険です。

冷えた体で熱いお湯に飛び込むと、全身の血管がいっぺんに収縮して、血圧を上昇させるからです。

また、全身の筋肉をかえってかたくしてしまいます。

脱衣所や浴室を暖かくして、お湯は熱くしすぎないように気をつけましょう。

ちょっとぬるめのお湯に20分がベスト

最初に入る水道水のさら湯は、チクチクしますよね。

それは、塩素による刺激と、先に入った人の垢などの不純物がないぶん、熱が体内に伝わりやすいからです。

このため、疲れが出たり、血圧を上げたりしがちになります。

この点、2番風呂の方がマイルドで、浴室も温まっているので体にはよいことになります。

お湯の温度は、ちょっとぬるめの39~40℃程度がおすすめです。

熱い風呂好きの人には物足りない温度でしょうが、体に負担をかけずに長湯ができ、体の芯まで温まることができます。

湯船に20分ほどつかっていると、毛穴が開いて発汗、たまった老廃物を落とし、結構が促進されて、筋肉が緩んで疲れや肩こりも取れます。

気分も落ち着いて、眠気が誘われる適温です。

熱いお湯が好きな人は、お湯を出るときに合わせて、徐々に熱くしていけばよいのです。

半身浴が良い理由

冷え性の人や、足がむくんだときに向いているのは半身浴。

なぜ、半身浴がいいのか?

お湯につかった部分にかかる水圧によって血管が刺激され、血流が活発になるからです。

最初に半身浴をすれば、血行不良の足から温まって下半身の血液循環が回復し、冷え性、むくみが解消しやすくなります。

ふくらはぎ、太もものど簡単なマッサージをプラスすると、さらに効果が増します。

どっぷり肩までつかる全身浴は体全体に水圧がかかるので、心臓への負担も大きくなり、横隔膜も上に押し上げられるぶん、肺が縮まって呼吸活動が激しくなります。

正しい半身浴の方法

半身浴の仕方は、ぬるめのお湯にまず膝下まで入れて、十数秒停止。

それから、腰あたりまで入浴します。

上半身が冷えるなら、熱いシャワーで浴室を温めたり、ときどき肩にお湯をかけたり、つかったりします。

乾いたタオルを肩にかけてもよいでしょう。

用途にあった入浴剤を選びましょう

入浴剤にもいろいろあります。

保湿作用のある硫酸ナトリウムが多く配合されていると湯冷めしにくく、炭酸水素ナトリウムは肌をすっきりさせる効果があります。

保湿成分のある生薬類の入ったものは、しっとり感が出ます。

季節や用途にあった入浴剤を選びましょう。

水分補給を忘れずに

忘れてならないのが、風呂上がりの水分補給。

入浴すると、体内の水分が失われるうえ、利尿作用も促進されます。

また、体が温まると体の表面の血液が増し、そのぶん消化器系の血流が悪くなって、消化機能が落ちてしまいます。

熱いお風呂に入るなら、食事の前後は避けたほうがいいでしょう。

目を覚ましたいなら熱い風呂が効果的

お湯の温度が42℃を超えると、ぬるめの湯とは反対に全身の緊張を促し、目も体もパッチリ目覚めます。

仕事前の朝湯などで、サッと短時間つかると効果的です。

朝が弱い人は、起きがけに熱めのシャワーを試してみてはいかがでしょうか?

ドライスキンの人が入浴時に気をつけること

お風呂は日常生活の至福のときですが、皮膚のかさかさや、かゆみ症状を悪化させている場合もあります。

特に、体の洗い方については注意が必要です。

表皮にある角質層の水分量が低下したり、皮脂分泌が少なくなったりして皮膚が乾燥して、刺激を受けやすくなるドライスキンで悩んでいる人は高齢者に限らず多くいます。

ドライスキンの人は、すねや太もも、腰、二の腕、脇腹などが無性に痒くなって、ベッドに入るとかゆみが増して寝つけなくなります。

ドライスキンで悩んでいる人が入浴時に気をつけることは、ゴシゴシと強い力で洗わないことです。

入浴のたびに強い力でこすると、乾燥から皮膚を守る皮脂が失われて、かえって傷つけてしまいます。

特に、ナイロンタオルは肌への刺激が強いです。

液体のボディーソープも、一度に使う界面活性剤の量が多くなりやすく、すすぎも不十分な傾向になりがちです。

その点、純石鹸ならすすぎも短時間で済むので安心ですね。

体を洗うことは擦ることではありません

体を洗うことを、擦ることと誤解している人が多いようです。

ドライスキンなどの人は入浴時に体を擦らないことが基本です。

アカすりなどもしないほうがいいです。

入浴は、体の汚れや古い角質を軽く洗い流す程度にどどめておきましょう。

ドライスキンの人は硫黄を避けましょう

また、ドライスキンの人は、硫黄入の入浴剤は避けましょう。

硫黄は皮脂の分泌を抑えて、皮膚の乾燥を増長させてしまいます。

入浴剤を入れるなら、保湿作用のあるものにして、水分が残る入浴直後に保湿剤を塗りましょう。